大すきな顔の女の人とは…。

その女の人は、六本木ヒルズのふもとみたいな
場所にあるホワイトというメンバー制の
バーのママ、ミーコさんのこと。

メンバー制って、どんなメンバー制だった
のかはわからない。
いつも誰かにくっついて行っていたから、
そんなことは考えてもいなかった。
だから、昨日、ミーコさんのいないホワイトを
お悔やみのために一人で訪れて、はじめて
気がついた。メンバー制だったんだ…。

私はホワイトで一度も自分でお金を払った
ことがない。だからたぶんミーコさんにとって
私はお客ではない。


ミーコさんとそのホワイトのことは、
ほんとうのお客さんたちが作った本
「白く染まれ—ホワイトという場所と人々」
著者: 宮崎三枝子
編者: 高平　哲郎
アートディレクション: 長友 啓典（K2）
タイトル命名: 糸井 重里

を読むと、よくわかる。

しかしお客ではないのに、行くとけっこう
ミーコさん はかまってくれた。
普段はかまわれたくないのに、どういうわけか
ミーコさんにはかまわれたい私。
ミーコさんはそいう私を上手にかまってくれる。

でも自分はほんとの客ではないし、女子だから、
ママのお仕事の邪魔をしてはいけない。…（笑）
結局、遠くからママのことを眺めていることが
多かったように思う。

ママは、お客さんの色んなとこをよく見ていて、
色んなことに厳しく、そしてようしゃしなかった。
男は度胸、女は愛嬌。って言葉があったけれど、
女にも度胸！ってことをミーコママから感じた。
いざという時に出る、女の度胸！
家でも社会でも、ほんとうに困った時、
男ではなく女が救ちゃうんじゃないの？
ホワイトで見たおじさんたちとミーコママの関係から
私はそう感じた。

やっぱ、違うねえ…。
ミーコさんに「この子、ほんとにわかってない！」って、
言われそう。

ああ。かまわれたい…。