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[めきし子 ] さんのブログ しっぽ…。犬を観察してみてほしい。本人の一部なのに、本人(本犬)が望んでいないことをしているように見える。このブログも、ちょっとそんな期待がある。しっぽの先で、本人が望んでないことまで書いてしまう…かも。(c) MexiCo[めきし子]
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夜のミッキーマウス 谷川俊太郎 新潮文庫 340円
http://www.shinchosha.co.jp/book/126622/

私は大人だけど、毎日実は、こわい。
こわいけれど、こわくないという顔をしなくては
ならない。だから、そういうことが
たまには、ほんとうに、たいへんで
ベットにもぐって、じっとしていたいと
思うことがある。

不安で、身動きできなくなった時、
アトムの作詞家、谷川俊太郎の
「夜のミッキーマウス」を読んでいると不思議と
心が落ち着く。

126622.jpg

これは、文庫版。最初に出版されたのが、
5年前くらいだったと思う。

その時詩人は、すでに70代。

夜のミッキーマウスは
昼間より難解だ
むしろおずおずとトーストをかじり
地下の水路を散策する

けれどいつの日か
彼もこの世の見せる
陽気な微笑みから逃れて
真実の鼠に戻るだろう


……これは、巻頭の「夜のミッキー・マウス」
という詩の始まり。

さらに、
「朝のドナルド・ダック」
「詩に吠えかかるプルートー」
「百三歳になったアトム」という詩が続く。

ミッキーと「百三歳になったアトム」」に、
すこし詩人本人がかさなる。
70代の詩人がいまだに夜の道を、さまよってる。

そして、それを知って、私は少し安心する。


大人の友だちに何をプレゼントして
いいか、よく迷う。
よいと思って買ったはずなのに、わたす前に、
自信がなくなって、結局、わたさないまま、
終わることがたまにある。

考えすぎなんだと思う。いや、欲が深いのかもしれない。
せっかくなら、喜んでもらえるものを
あげたいと願うあまり、喜ばれないかもしれないもの
を、あげるよりは、あげない方がいいかもしれないと、
やめてしまう。

この詩集も、わざわざ買っておいて、
渡さなかったもの。

それは、最後の「五行」という詩の
せいかもしれない。

その人の悲しみをどこまで知ることが出来るのだろう
目をそらしても耳をふさいでもその人の悲しみから逃れられないが
それが自分の悲しみではないという事実からもまた逃れることが出来ない
心身の洞穴にひそむ決して馴らすことの出来ない野生の生きもの
悲しみは涙以外の言葉を拒んでうずくまり こっちを窺っている


70代の詩人の目は、まだまだ光っていて、
自分や人を見続けている。

私が詩集を贈るなんて、100年早い。
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