代々木で働く、クマリタ社長。[2]

トゥルルルルルル

Macに裏切られて、ふて寝していたら、
また、あのクマリタから
電話がかかってきた。

「もしもし、めきし子ちゃん？
フフフ。クマリタだけど…
めきし子ちゃん。何してるの？待ってるのに」

「待ってるって、社長、約束してました？」

「いいから。いいから。待ってるからね。
23分後にね」


「待ってください。クマリタさん。え、切ったの？？」



いいから,いいから…って。そうそう、これが
クマリタペースだった。

だいたい、約束などしていない。
手帳を開く、どこにもクマリタなんてことは
書いてない。
でも23分後には、きっとめきし子さんは
クマリタの会社に行ってるんだ。

時計を見たら、11時37分だった。
23分を足すと、12時だ。

…偶然？
クマリタがそんな計算ができるわけがない。
絶対、子供社長だっていうの。
こないだ、子供だって確信したんじゃなかったの？
めきし子さん…。

そうなんだ。でも、記憶が…クマリタの会社で、
めきし子さんはどうしたんだっけ。
最後があいまいだぞ。

もう一度、手帳を見た。
代々木八幡、クマリタ社長。11時50分。
それ以外何も書いてない。

おかしい…。今日こそ、クマリタの正体を突き止めて、
しっかり言わないと。パンチ！

つづく…